🍶味噌という文字に宿る、日本人の祈りと甦りの叡智
トモ農園さんのブログに味噌の素晴らしい話がありました。
「ミソ」って、漢字で書けますか?
……私は、正直パッと出てきませんでした(笑)。
普段あまり使わない『噌』という字。けれど、なぜ“味噌”にこの文字が選ばれたのかを辿ると、日本人が大切にしてきた命への祈りと再生の知恵が見えてきます。
「噌」が語る“蒸す”と“よみがえり”
味噌の語源は未醤(みしょう)──醤油になる前段階の「未完成の醤(ひしお)」を意味すると伝えられます。
『噌』の右側は甑(こしき)=蒸し器の象形に由来し、そこから立ちのぼる湯気や、調理場のにぎわいが「噌=にぎやか」を表すとも言われてきました。
けれど古代において“蒸す”は単なる調理ではなく、火と水の力を合わせて命を甦らせる神聖な行いでした。穀物や豆は一度「死」を通過し、蒸し・発酵を経て、新たな命として私たちの体に宿ります。
『噌』には“再生・よみがえり”の祈りが込められている。
神事の供え物に蒸し物が多いのも、その象徴かもしれません。
1300年続く「日本の霊薬」:味噌のちから
味噌の歴史は1300年以上。古来、人々は味噌を体と魂を整える霊薬として大切にしてきました。現代の視点でも、その力は十分にうなずけます。
- 必須アミノ酸9種をすべて含有(タンパクの“原料”を広く補える)
- ビタミンE・B群、イソフラボン、大豆サポニンなどを含む
- 発酵由来の成分が腸内環境を整え、毎日のコンディションをサポート
疫学研究では、味噌汁の習慣が特定のがんリスク低下と関連する報告もあります(乳がん・胃がんなど)。解釈には注意が必要ですが、伝統食の積み重ねが健康に寄与する可能性は、経験的にも実感されてきたことですよね。
チェルノブイリと味噌:発酵の“甦り”は国境を越えて
1986年のチェルノブイリ原発事故の折、日本から味噌が支援物資として届けられたエピソードは有名です。長崎で被爆者の治療にあたった医師が、玄米・味噌汁・海藻を中心とした日本の食養を提唱していたことも広く語られ、味噌に含まれるメラノイジンや発酵由来成分が、体内環境を整える点に注目が集まりました。
火と水、そして微生物。
三位一体のはたらきが、私たちに「甦り」の力を手渡してくれる——その象徴が味噌だと私は感じています。
今日からできる:からだと魂がよみがえる「一杯」
① 毎朝の“よみがえり味噌汁”
- 出汁は昆布・かつお・煮干しなど好みでOK(前夜の水出しが簡単)
- 具は季節の野菜・海藻・豆腐・きのこ類をシンプルに
- 味噌は沸騰直前の火を止めてから溶く(風味と発酵の恵みを守るコツ)
② 味噌の選び方(私のおすすめ)
- 無添加・長期熟成・生味噌(加熱処理がないもの)
- 国産の大豆・米・麦を使った伝統製法
- 塩は自然塩を使用したもの
- 白・赤・合わせなど、季節や体調で使い分けも楽しい
③ もう一歩の楽しみ方
- 味噌+すりごまでコクとミネラルをプラス
- 味噌+オクラや長いもで“とろみ”の整腸サポート
- 味噌+麹甘酒を少し加えると、朝でも飲みやすいやさしい一杯に
よくある質問(FAQ)
Q. 味噌はどれくらいの量が目安?
A. 体格や活動量にもよりますが、味噌汁1杯で小さじ山盛り1〜2程度が目安。塩分が気になる方は具材を増やし、汁は少なめにする方法もおすすめです。
Q. 減塩の味噌で大丈夫?
A. 減塩でもOKですが、塩は発酵の骨格。無理な減塩より、質の良い味噌を選び、全体の食事でミネラルバランスを整える意識が大切です。
Q. 加熱で“生きた菌”は失われますか?
A. 高温長時間では弱まります。仕上げに火を止めてから溶く、具材はしっかり煮て味噌は最後に、が日常のコツです。
Q. どの味噌が合うか分かりません
A. 季節と体調で使い分けるのがおすすめ。春〜夏はやさしい米味噌、秋〜冬は熟成の進んだ赤味噌、疲れが強い日は合わせ味噌…など、体の声に合わせて選んでみてください。
おわりに:一杯の祈り
味噌という文字には、蒸気のように立ちのぼる祈りと、甦りのエネルギーが刻まれています。
今日の一杯は、古代から続く日本人の魂の食事に身をゆだねる時間。
火と水と微生物が紡ぐ“発酵の奇跡”が、そっとあなたのからだと心を整えてくれますように。
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